名作のコミカライズ「バジリスク 甲賀忍法帖」

山田風太郎先生の名作「甲賀忍法帖」を、せがわまさき先生が独自な味付けで漫画化したシリーズです。全五巻で、分量もコンパクト。

甲賀と伊賀の恐るべき忍者達が、徳川家康の命令を受けて、血で血を争う戦いを繰り広げる……あまりにも有名なこの作品、筋を知っている方も多いかもしれません。

この漫画版では、せがわ氏のオリジナルエピソードもあり、また違った味わいです。

例えば、各キャラクター。

原作から入った私は、主人公の甲賀の頭領・弦之介は、少年の面影を残した細身の若者のイメージでした。どこかナイーブで、潔癖。

ところがバジリスクの彼は、背が高く、堂々たる体躯の持ち主。顔立ちも濃く、立派な成人男性です。ナイーブさは、どこにも感じられません。

ヒロインの伊賀頭領・朧姫も、「可憐な美少女」というイメージは共通すれど、原作の印象よりやや年かさで、ナイスバディ。

そして原作にはない「ドジっ娘」という特徴を与えられたことで、漫画版ならではの、新たな魅力を持つキャラクターになりました。

他のメンバーも、せがわ先生のセンスが加えられ、小説と違いがあるのが楽しいです。

例えば「四肢の無い忍者」地虫十兵衛は、渋い風采の中年男になり、高速で地面を移動する時の為に、特殊なデザインの衣服を纏っています。

ジョーカー的存在の不死の忍者・薬師寺天善の、耳たぶの出来物(?)。これは、彼の不死の秘密に繋がる、独自のデザインです。

毒の息を吐く美女・陽炎は、片目を髪で隠した色っぽいデザイン。

壁を走る刑部は、蜘蛛そっくりの体型と、なるほどと思わされたり。

そうそう、タイトルの「バジリスク」とは、見た者を石に変える怪物の名前だとか。

視線で敵の術を破る瞳術を持つ、頭領二人になぞらえたモノでしょう。美しい女性達に、おどろおどろしい異形の忍者達。漫画版も、オススメです。